【2012年11月23日 小田原城訪問レポート】
二ノ丸東堀
二ノ丸東堀
 11時02分、二の丸東堀に到着。 堀沿いに案内地図もあった。 天気が悪いにもかかわらず観光客も多かったんで、流れに乗っ行けば良いと考え、案内図の確認もそこそこにして赤い橋を渡って城内へ進んだ。
小田原城案内図
小田原城案内図
 渡り切った先には広場がある。 しかし、順路の矢印は左折だったので、それに従って広場の塀沿いに進む。 塀の端っこまで来た角に「二ノ丸跡」の看板があった。 ここは二ノ丸だったのかと看板で初めて知った。 十ヶ所以上の城を巡って、ちょっと知ったかぶりをしたいこの頃、いきなり二の丸に来ちゃうと「三ノ丸はどこだ?」なんて思ったりする。 だが次の瞬間、そんなことも調べずに来ちゃった予習不足を反省する。
 二ノ丸跡には誰もいない。 観光客は皆、順路に従って二ノ丸跡の外側の道を進み、二ノ丸跡を突っ切る人はいない。 これだけの広場が全く活用されていなそうなのも、知名度の高さからくる余裕なのだろうか。
二ノ丸跡
二ノ丸跡
 二ノ丸跡の隣に、歴史見聞館があった。 ここの見学は後回しにして、先に進む。
 11時16分、常盤木橋にさしかかる。 発掘調査で、この下に堀があったことが判明したとの説明看板があった。 発見した堀を再現するのは無理だからと、橋の下は何やら湿地植物用の花壇みたいものが造られている。 塩野七生著「ローマ人の物語」に遺跡に行って当時の様子を想像する記載が何度となく出てくる。 城巡りとは、正にそうする時なのだが、基礎となる知識がなければ想像も膨らまない。 常盤木橋下の堀の様子を想像しようと試みても、広い堰のようなものしか思いつかず情けない。
 常盤木橋を渡った先に、常盤木門がある。 門の前で中国人が記念撮影していた。 最近は中国語なんか聞きたくもない心情なのだが、日本の文化遺産をわざわざ訪ねてくれる人には寛容であらねばと思ったりもする。
常盤木橋   常盤木門
常盤木橋   常盤木門
 常盤木門をくぐった先は本丸跡。 誰もいなかった二ノ丸跡とは違い、本丸跡では天守をバックに記念撮影している人とかがいて賑やか。 本丸跡を見ている間に小雨が降り出し、急いで天守に向かった。
 天守入口には急な階段を登って行かなければならない。 お年寄りがつらそうに登りったり降りたりしていたが、皆「エスカレータがあれば」なんて文句も言わずがんばっている。 これも名城の為せる業なのだろう。
本丸跡
本丸跡
 一昨日届いたJAFの月刊誌に、小田原城天守が提携施設だと載っていたので、今日はJAF会員証を持ってきた。 天守のチケット売り場でそれを提示して歴史見聞館との共通チケットを購入。 一割引の、540円で買えた。 チケットの半券を切り取る入口カウンターに百名城スタンプは保管されている。 カウンターのお姉さんから借りて14個目のスタンプをゲット。
小田原城天守
小田原城天守
 天守入場は11時28分。天守内部は1階~中4階までの4フロアが展示室、最上階の4階が展望室になっている。 1階展示室には、城跡の発掘物やお城での営みに関する骨董が展示されている。 2階には、北条氏5代当主をはじめとした人物に関する展示。 3階は武器の展示。 中4階は、1~3階のおさらいのような説明や写真のパネルが展示されている。
 戦国時代に小田原が関東の要へと登りつめた歴史や、江戸時代になってもなお繁栄していたことが良く分かる。 北条氏滅亡で小田原は終わったと思っていたが、徳川時代も譜代の有力者が配置される重要拠点だったんだ。 なにより意外だったのは、北条時代には天守がなかったこと。 高い天守は西国から徐々に広がった築城方式で、小田原城の天守建築は徳川時代になってからなんだって。
天守4階からの眺め(東側)   天守4階からの眺め(北側)
天守4階からの眺め(東側)   天守4階からの眺め(北側)
天守4階からの眺め(西側)   天守4階から見下ろした本丸跡(南側)
天守4階からの眺め(西側)   天守4階から見下ろした本丸跡(南側)
本丸跡の猿小屋
本丸跡の猿小屋
 最上階展望室からの眺めは、天気に見放されて冴えない。 山はけむり、海岸線もよく分からない。 こんな悲惨な写真を撮る機会に恵まれる自分はすごいと自虐的に自らを慰める・・・。 何事も受け入れる、これがM系人間の強み。
 12時10分、天守見学を終えて本丸跡へ戻る。 なぜだか、本丸跡に猿小屋があった。 これを見て、自分が生まれ育った庄内地方(山形県)の城跡鶴岡公園にも猿小屋があったことを思い出した。 鶴岡公園には鳥小屋もあったような・・・。 城跡で動物を飼うのは定番なのかな。
 猿小屋を後にして、常盤木門・橋を戻って歴史見聞館へ来たのが12時20分。 なかなか凝った演出で楽しませてもらった。 今川・武田・上杉との絡み、関東の覇権争いを勝ち抜いた快進撃。 それも束の間、京の都を取り込んだ中央西国に対しきれず地方東国の露と消える結末。 小田原評定を同情的に見て欲しいオーラむんむんのシアターは必見だ。
歴史見聞館   銅(あかがね)門
歴史見聞館   銅(あかがね)門
 12時53分、歴史見聞館を後にする。 歴史見聞館前方に見える銅(あかがね)門に向かう。 立派な門だ。 ここが正門なのだろうか。 銅門を抜け、堀を渡り小田原城訪問を終えた。